FujiRockFes01
Neil Young & Crazy Horse
2001-07-28
ヒット・ナンバーのオンパレードだったエコー&ザ・バニーメンのライヴの感激も覚めないまま、あわててグリーン・ステージに戻る。いよいよニール・ヤングが暴れ馬を従え、フジのステージに登場するのだ。思えば、12年ぶり(クレイジー・ホースと一緒となると、なんと25年ぶり)の来日公演だ。なかにはロック・シーンの生きる伝説を、この目で確かめようという人も多かったはずだ。

そして、午後9時30分。カウボーイハット、ネルシャツ、ジーパンというラフな姿のニール・ヤングがステージに現れる。ふと、入国するときも、この人はこのかっっこうだったんだろうか? と、どうでもいいことが頭をよぎる……。その後、ニール・ヤングはアンコールを含めて、なんと2時間半、長尺ナンバーを演奏した。

とにかく1回始めると、終わるまでが長い長い。その間、クレイジー・ホースのダイナミックと言えば聞こえはいいけれど、無骨で大雑把な演奏をバックにニール・ヤングはギターを弾きまくる弾きまくる。そして、その唯一無二のギター・プレイの向こうにダイナソーJr.ピクシーズソニック・ユースらの姿が浮かび上がる。


Neil Young & Crazy Horse
とにかく1音聴けば分かる、この人のライヴのもの凄さ。 嵐のように弾き、そよ風のように歌う。クレイジー・ホースの手堅い演奏も忘れがたい

かん高い歌声も意外にしっかり聞こえる。それほど轟音、爆音というわけではないけれど、力業で、しかも時間をたっぷりかけてなぎ倒すような演奏は、有無を言わさない迫力に満ちていた。「ヘイ・ヘイ、マイ・マイ」「ライク・ア・ハリケーン」「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」といった名曲の数々を聴けたことももちろん嬉しかったけれど、聴く者を蹂躪するような音の渦に飲みこまれたことが快感だった。

演奏が終わり、一度、ひっこんだのが11時20分過ぎ。そしてアンコールにこたえ、再びステージに現れてからが、また長かった(笑)。そしてラストはニール・ヤングがピアノを弾きながら歌った「今宵その夜」。ドラッグ禍で死んだクレイジー・ホースの元メンバーに捧げられた、この暗く重い曲をラストに持ってくるとは……。

演奏終了時刻深夜0時。正直、燃え尽きました。今年のフジ・ロックはニール・ヤングの一人勝ち。と言うか、ニール・ヤングのためにあったと言っても過言ではない。